中国の明日を勝手に考える

 
 編集部に届いた第1のメール

 易断、拝見しました。
 中国共産党政権はまだまだ続くとのご託宣、たしかにそうかもしれません。
 政党というより、社会の隅々にまで浸透した官僚機構というイメージの政権ですものね。
 ただ、

 (1)社会主義政権下での貧富の差の急拡大
 (2)お家芸とでも言うべき官僚の腐敗

 の2点が解消されない限り、中国征治の不安定要因は解消されません。
 実際問題、この二つを解消するのは至難の業でしょう。

 いまのような高度経済成長が続いている限り、パイが拡大するのでショックは吸収されます。
 となると、最大の問題はそうした経済成長がいつまで持続できるかという点に帰着します。
 ここで問題になるのはアメリカの元切り上げ要求でしょう。
 これが実施されれば、世界の工場としての中国の優位性はかなり低下します。
 高度成長が普通の成長に変化する可能性大です。

 そうなると、貧富の拡大と官の腐敗がボディーブローのように効いてくるはずです。
 いまの中国の規模を考えると、日本も含め、世界中が影響を受けざるを得ないだけに、事態はかなり深刻だなあと思っています。


  ジョー先生の返事

 いただいたご意見ごもっともです。
 共産党政権は「安泰」といいましたが、言い過ぎかもしれませんね。
 中国経済が失速したら、世界経済に与える影響は甚大でしょう。特に日本などは中国への輸出に支えられて経済がもっているのが現状ですから。景気は循環しますから、いつか必ず中国経済は失速します。これまでの成長が目覚ましいほど失速は大きなものになるでしょう。

 しかし、それが政権を崩壊させる要因になるかは話は別だと思います。
 なによりも受け皿となる組織が存在しません。中国はソ連と違って、政治改革を行わなかった社会主義国で、そのことが今日の繁栄につながっております。中国において対抗勢力が力をもつのはまだまだ先の話ではないでしょうか。

 韓国や台湾ではかつての軍事独裁政権の時代から民主的な選挙を行う国になっています。しかし、広大な国土と多くの民族を抱えている中国となると現時点では民主主義は根づかないのではと思っています。それに台湾や韓国では貧富の差が政権交替をもたらしかのではなく国民が豊かになったからでした。
 貧富の格差や官僚の汚職は、これまでの中国の歴史では「お約束」で、歴代の王朝はなんとかやりくりをしてきました。

 ポイントは貧富の差と汚職が、「しきい値」をこえるかどうかにかかっていると思います。
 たしかに破局と隣り合わせですが、占いの結果とあわせると中国共産党の困難は終焉をもたらす困難でなく、困難の始まりの時期と考えました。ゆえにあと20〜30年くらいと思った次第です。

  当たるも八卦、当たらぬも八卦ですが。。。。

  ちなみに、中川文人に意見を聞いたところ、「上海あたりが独立宣言を出して、都市国家が乱立するんじゃないのか。実際、香港、台湾という存在があるわけだから、そういう可能性もあるんじゃないのか」と、面白そうなことを言っていました。

 これは中川によく見られる「単なる思いつき」だと思いますが、彼のいうことにも一理あります。私も、中国の歴史で一番面白いのは春秋戦国時代と三国志の時代だと思っています。この時代は面白い人を輩出しました。中川の言うとおり、いくつかの国にわかれたほうが中国にとってはいいのかもしれません。


  編集部に届いた第2のメール

 私の拙い感想をジョー・マジャール先生にご覧いただき恐縮です(^^;)
 このGW、たまたま本棚にあった「三国志」を読み返していました。
 で、改めて思ったのは、かの国で新しい政治権力を打ち立てるにはきわめて長い時間がかかり、日本人(もしかしたら欧米人も)の時間感覚ではなかなか理解しにくい、ということです。

 圧倒的に広大な国土と、膨大な数の人民を抱えるがゆえの特殊事情なのでしょうが、数十年は当たり前。ヘタをすると、最初に体制変革をだれかが企ててから、成就するのが100年後というのもざらにあります。
 ただ、私は通信革命がそうした「悠久の歯車」の回転を少し速めるのではないかと思っています。

 知人に聞いた話では、いまから20年ほど前に中国の片田舎に行って、土地の古老と話したところ、「毛皇帝はお元気なのか?」と真顔で聞かれたそうです。
 こうした中央と地方の情報格差は今でも厳然としてあるのでしょうが、インターネットなどの普及で急速に解消されつつあると聞いています。

 ジョー先生のおっしゃるとおり、天安門事件の遺伝子(=変革の種)が実を結び、新たな政治体制が生まれるのは、たぶん数十年先なのでしょう。
 が、各地で人民が蜂起し、チャイナリスクが世界を直撃する事態は、数年後に来ても不思議ではないと思います。

 先日、日中韓3国の知識人がそろった会見がありました。
 その席で中韓側が強調していたのは、「有史以来、漢民族、朝鮮民族が日本を侵略しようとしたことはない。日本はその歴史的事実を重く認識すべきだ」ということでした。(ちなみに、元は蒙古族なので元寇は例外なのだそうです)

 言われてみればその通りのことなのですが、こういうロングスパンで歴史をとらえようという姿勢そのものが、私も含めて日本人の多くには乏しい気がしました。
 文化の違いなのか、教育のなせる技なのか、はたまた島国だからなのか。。。

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