二〇〇四年五月五日
初めまして。
Sと申します。入社十二年目の広告会社の女性営業マンです。
HPをたまたま拝見して、非常に感銘を受け、ご相談させて頂くことに致しました。ご検討頂ければ幸いです。
実は、ずっと、昇進できず悩んでおり、また、あと少しあと少し……と理不尽な異動や様々なことを我慢してきましたが、この春昇進が叶いました、が、つかの間、会社の制度が大きく変更することになり、昇進は白紙に。
かつ、二年後輩の男性にチームリーダーという職(本来なら昇進後、与えられる職)は奪われました。
現在、チームリーダーのかわりに商品開発の職務を与えられました。しかし、最初に約束した職務範囲がだんだんと広げられ、本来の業務範囲でないことで、叱責を受け、辛い思いで一杯です。
これまでその上司とはうまく行っていた(うまくサポートできていると自負していた)のですが、四月に入り、急に雲行きが怪しくなってしまい、もう、どうしたらよいのか、思いもかけないことに傷心の思いです。
今、様々な思いをずっと我慢してきたことを後悔し始めています。
どうしたらよいでしょうか。
すこし編集して掲載しましたが、とても人ごととは思えない内容のメールですね。
小生もサラリーマンをやっていますが身につまされてしまいます。
仕事をして楽しいかといわれれば、一つの仕事が終えればそれなりの達成感もありますし、いろいろな人と関わってお互い向上していくのは非常に面白いものです。Sさんは仕事の面白さがよくわかっている人だと思います。
しかし、サラリーマンをやるということは、いろいろと自分なりに努力してなにがしかの仕事をしたとしても、結局は会社のものにしかならないということを自覚することなのかもしれません。
評価や昇進にしても、才能や実績と必ずしも関係はありません。場合によっては不利に働くこともあります。
特に、Sさんの場合は営業職という人と人の間を取り持つ仕事ですから理不尽さを感じるのはなおさらでしょう。
これまでの忍従の生き方が役にたたなかったと気づいたとき、後悔の念にとらわれてばかりいるのは損なことです。Sさんにとってこれまでの生き方を見直す転機が訪れているといえるのではないでしょうか。
それではSさんはどうしたらよいか占ってみましょう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇

巽為風の初爻を得た。
巽
は二本の陽爻の下に一本の陰爻がはいりこんでいる形をしています。そこから、どこにでも入り込むということで風の意味が出てきます。また、人の心に入り込むということで、人に取り入る、従うという意味が出てきます。さらに、声もまた風ですから命令という意味もあります。
そうだとするとこの卦は会社の風むきに翻弄され続けるSさんの状況を示しているとでもいうのでしょうか。
小生かならずしもそれだけとは思いません。
易経では「大人を見るに利ろし」といっています。風に揺れ動く状態だから、大人つまりしっかりとした人物に従いなさいということです。
初爻を見てみましょう。
進み退く。武人の貞に利あり。
「進み退く」とは何でしょうか。巽という卦は従うという意味ですが、今回得た初爻はその最下位にあります。つまり忍従の極地にいるわけです。そのような状態では自信が持てるはずがありません。占ってこの爻を得た場合、必ず進退に迷うことになります。
では「武人の貞に利あり」とは何でしょうか。武人が必要とされているのは非常時です。進にしろ退くにしろ平時にはない決断と行動が求められているのです。
ゆえに、Sさんにとって必要なのは「武人の貞」つまり自信と決断力だと易断いたします。
Sさんのこれまでのキャリアを決してむだにしてはいけません。これまでの蓄積を生かすか殺すかは、まさに現在の決断にゆだねられているといっていいでしょう。だだし、そのまえに信頼できる人物を選ばなければなりません。
Sさんにとって今後の選択肢はいくつかあると思います。具体的に示すことができなかったのは申し訳ないのですが、しかしいずれの場合でも誰かを頼らないといけないし、自分自身は積極果敢な行動をしなければなりません。非常に難しい状況ですがいまはそういう時期なのです。
Sさんの選択がうまくいくことを祈念しています。
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