F出版のTさんのバラ色の未来(?)を占う
当初の占題は「F出版」の運勢を占うといった内容でした。
ひとくちに占いといっても、まったくしらない事柄を占ったところで、なかなか当たるものではありません。やはり情報収集が一番です。
早速、取材のため中川社長とF出版におもむきました。
F出版はヨセフと同じマンションの一室にあります。F出版はPCが数台おいてあり、書類があちこちに積んでありました。まあ、何処にでもある小出版社の風景といっていいでしょう。そこで、F出版のTさんから色々と事業の内容を聞くことになりました。
一応、F出版は定期的な仕事があり、なんとか利益もあげています。今後重点を置く分野もあります。
しかし、今一つぱっとしません。
小生もいちおう出版関係の人間なので、いろいろとアドバイスを試みました。ところが、Tさん曰く、小生の言うことなどすべて考え済みだったのです。
その後、話し合いは居酒屋に場所を移してすすめられましたが、ますますF出版に展望がないなあという話になりました。
そもそも、出版業界は不況の直中にあります。業界としては四年連続で売り上げが下降しています。返品率は相変わらず高水準のままですし、昨年は老舗の書店や取次、出版社が倒産しております。
はっきりいってしまえば出版は斜陽産業なのです。昔の石炭業などを思い浮かべるといいかもしれましん。
そんなご時世ですから、出版社の運勢など占わなくても分かろうにということです。
ところが、話が進むうちに、F出版の事より、話の重点は別のところに移っていきました。
それはTさん自身の運勢です。
人間も三十歳をとうに過ぎると、転職もままなりません。Tさんは見通しの判然としない会社で、いろいろとしがらみを抱えているのです。他にいくところもないし、さりとて今の会社をもり立てようともジリ貧です……。
だれもが、成功できるほどの意志や才能、環境、運をもっているわけではないのです。多くの人間は他人や会社に依存したりして、つまり自分以外のもの=運命に翻弄されながら生きるほかはないのです。
小生もTさんの漠とした不安がよく分かります。
そこで、F出版のことはおいておいて、Tさんの運勢を占うことにしました。
沢地萃の五爻を得た。
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萃とは地の上に水があるれている状態です。地に水がいきとどけば草木が茂ります。人事をもっていえば下にある三つの陰が五爻の陽を慕ってよってくる状態です。萃はものや人がどんどん集まってくる象なのです。
しかも今回でた五爻を目指してすり寄ってくるのです。
人に恵まれ、仕事が集まり、財を築く、そういった幸せがはたしてTさんには待っているのでしょうか。
五爻を見てみましょう。「萃(あつ)めて位を有(たも)つ。咎なし。……志し光(おお)いならざるなり。」
これは、将来幸運が待っているというよりも、こういうことではないでしょうか。
利益の薄い仕事でも、とにかく集まってきてなんとかやりくりできている(位を有つ)のです。不満(志し光いならざるなり)は多少あっても、まあいいんじゃないでしょうか。
ゆえに、現在の状態がTさんにとってはベストな状態なのだと易断いたします。
五爻のとなりの上爻を見てみましょう。「せい咨、洟涕す。咎なし。」
なにやら気掛かりな文句です。
「せい咨」は嘆き悲しむさま。「洟」は鼻水です。「涕」は目からでる涙です。
しばらくして、泣きを見るようなひどい目に会うかもしれません。「咎なし」を心の支えにして頑張って下さい。