二〇〇三年三月三日
秋風子さんの転職を占う。
小生も普段はサラリーマンをやっていますが、とても他人事とは思えません。
世の中、失業率が五パーセントを超えている時代です。仕事は日に日に過酷になってゆきます。さりとてすぐにいい転職先が見つかるはずもなく、全く展望が見えないのです。秋風子さんもそんな一人です。
配置転換により、長時間の通勤を余儀なくされています。しかも仕事は、人件費節約のためでしょうか、十人分の仕事を押し付けられています。
このままでいたら、おそらくは体調を崩すか、心が参ってしまいます。心と体のどちらに症状がくるか分かりませんが危機的な状況です。もちろん、両方同時ということもありえます。転職したいというのも当然でしょう。さりとて、いい転職先があるというわけではありません。
まさに、秋風子さんは窮地に陥っています。
そこで秋風子さんの転職を占ってみることにしました。
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山沢損の五爻を得た。
山は高くそびえています。一方、下は沢で水が流れていますから、浸食作用によってすり減っています。この卦は上を益し、下を損しますから、「損」といいます。山と沢はお互い交わらないものなのです。
秋風子さんが、身を削って転職活動に励んでも、相手方の要求は山のように高く、結局は損(徒労)をしてしまうということでしょうか。
あるいは、下が損すればするほど上は益するということですから、会社を益するために、難儀な仕事を押し付けられ、身をすり減らし働かさせられている秋風子さんの状況を示しているのでしょうか。いずれにせよ、秋風子さんにとっては望ましくない状況です。
五爻を見てみましょう。
或いはこれを益す。十朋の亀も違うあたわず。元吉なり。
はっきりいって難解です。
亀は占いで使う亀の甲羅です。当時は非常に高価なものでした。それは十朋(昔のお金の単位)もの価値があります。
違うあたわずは、この場合、辞退できないということです。
解釈としては、十朋の亀の甲羅を贈られて断ることができなかった、ということになります。どういうことでしょうか。深く考えてみますに、秋風子さんは十人分の仕事を会社から押し付けられています。会社にとっては十人分の仕事は非常に価値のあるものです。しかし、会社の利益のためには誰かに押し付けなければなりません。
秋風子さんは会社から無理な仕事を押し付けられて、結局は断れないということなのではないでしょうか。ゆえに、非常に不本意ながら秋風子さんは現在の仕事をやらざるをえないと易断いたします。
しかし、結果は、「元吉」です。最後は幸せになれるのです。「損」という卦は現状は思わしくなくとも将来は運が開ける卦です。元吉を心の支えとして今の時期を乗り越えて下さい。現在苦しんでいることは、将来、転職するにしろ、今の会社に留まるにしろ必ず役にたちます。
ただし、黙々と仕事をするだけではまいってしまうでしょう。まず、自分の要求は必ず主張して下さい。できないことはできないと。ただし、一方的に主張するだけでなく、相手の様子をみながら、ねばり強くおこなうことです。決してくじけてはいけません。
事態は一挙には改善しません。地道な活動こそ道をひらくものなのです。転職活動をするにも同様なことがいえます。
それでも、いよいよ追い詰められたら、そのときは辞めればいいのです。体を壊してまで働いてはいけません。辞めるのは最後の手段として、とりあえずは保留しておくのがいいでしょう。
なお、キーワードは、山や亀といったところでしょうか。もし、これらの名前のついた人は、注意して接する必要があるでしょう(必ずしも悪い人ではありません)。
なにはともあれ、秋風子さんが苦難の状況から一日も早く脱出することを祈念しております。