二〇〇三年十月十五日

御園イブさんと彼の愛の行方を占う。

依頼のメールがきました。長文のメールなので少し手を入れて紹介します。

御園イブと申します。

占っていただけるかもしれないと、拝見したので、ずうずうしくも、メールしてみることに致しました。

私は既婚です。子供はいません。主人とはうまくいってないです。
いつもいつも私は仮面を被って、主人と接しております。疲れてます。

こんな生活を続けて、不整脈と低血圧になってしまいました。
離婚すればいいのですが、私の性格でできないのです。

生活をかえようとして英会話教室に通ったのですが、その先生を大好きになってしまいました。
結婚しているのに、言語道断のこと、苦しみました。
ですが、病気がいっぺんに治ってしまったので、自分を大切にしなくては、と思いはじめたら、他の人に口説かれて、思わず2年ぐらいお付き合いをしてしまいました。

それを期に、ここ3年〜4年ほど、口説かれては付き合い、口説かれては付き合いと数人の人とお付き合いました。

そして、今、私が好きな人のことで、悩んでおります。

私は今までお付き合いしてきた人の中で、今の彼が1番大好きです。
彼は男気のある人です。彼は本当に可愛いです。11歳上なんですが、子供のいない私は子供ってこんな感じに可愛いんだな〜って思えるように可愛いです。彼とはアダムとイブのような世界を味わいたく、日常は話さないようにしています。

その彼が、突然、携帯にはでてくれなくなるし、彼の身を案じてメールをしても、迷惑だ、メールしてくるな、と件名にそれだけを書いて、送ってきたんです。
もう終わりだと言えば、終わりにします。
だけど、なんにも言われないために、苦しいです。
ご飯もあまり食べられず、夜もあまりねむれないんです。

突然連絡がこなくなった、理由もわからないので、気がかりです。連絡が途絶えてしまっているのは、終っているのか終っていないのかを占っていただきたいのです。

それでは、占っていただけることをお祈りいたします。

早速占ってみましょう。


  ◇  ◇  ◇  ◇


御園イブさんと彼の愛の行方を占う。





風天小畜の三爻を得た。

下に三本陽が連なっています。陽は連なって進もうとしていますが、四爻の陰に押しとどめられています。しかし、いかんせん、陰爻が一本だけですのでそんなに長くはとどめられません。少しだけ止まるのでこの卦を小畜といいます。

三爻を見てみましょう。

輿(くるま)輻(ふく)を説く。夫妻目を反(そば)む。

「輿(くるま)輻(ふく)を説く」は車輪の軸が抜けている状態です。「夫妻目を反(そば)む」は夫婦が憎しみ合っていることです。三爻の陽と四爻の陰は隣同士にいるので、やおら親しみあいます。しかし、内卦の乾はもとより前へと進むものです。やがては憎しみあうにいたります。その様子は車輪の抜けた車のようだといった意味です。いわばアクセルをいくら踏んでも事態は前へ進まないといったところでしょうか。

考えてみますに、イブさんは彼を愛する気持ちを前に出そうとしているのですが、相手の彼はその思いを十分に受け止められないということではないでしょうか。

ゆえに、イブさんには非常に申し訳ないのですが、彼との関係が修復するのは難しいと易断いたします。

イブさんは、彼とはアダムとイブのような世界を味わいたいとのことでした。エデンの園が楽園であったのは、労働の苦しみと産みの苦しみがなかったからです。
私たちの日常は非常にちまちましたものです。それだけにイブさんと彼の世界は幻想的で甘美なものだったに違いありません。
しかし、彼はイブさんとの世界を続けられず、一人で現実の世界に戻っていったのかもしれません。だまっていったのは「話さなくてもきっと分かってくれる」という、彼なりの男気なのでしょう。身勝手ではありますが。

つまり、彼は、イブさんと楽しみはともにできても、苦しみはともにできないということなのでしょうか。

不幸な結婚に体を蝕まれたイブさんは恋愛によって救われました。恋愛することはイブさんの生きている証です。ある意味ではうらやましい生き方といえないこともありません。
しかし、やはり恋愛だけの関係は長続きしないと思います。もしかりに彼との仲が戻るとしたら、そのときは苦しみをともにできる関係を築いてほしいと思います。



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