二〇〇二年三月十九日
前回の易断では、友人の中川社長の進路の選択を占い、「凶事あり」と易断しました。
しかし、いかなる凶事が待ちうけていようとも、中川社長はおのれの道を進む決意をしました。それでは小生の運勢はどうでしょうか。
おもえば、中川社長出会ったのは大学でした。大学ではほかにも多くの人と出会いました。十八年も前の事です。その後の人生は様々です。きこり、カウンセラー、職業革命家、大学の先生、労組の専従職員、なかには心の病いと闘っている人もいます・・・。どういうわけかサラリーマンは小生くらいです。活躍している人もいれば活躍していない人もいます。
小生はといえば、幸いにして出版の職を得ています。環境としてはめぐまれています。ただし自分の作った本が売れているからというわけではありません。解決すべき課題は山積みで、やりたいことはいろいろあるのですが、思う通りには仕事は進まず大変です。将来もどうなるかはわかりません。
また、この易のホームページを作ったのも、仕事に不満があるからというわけではなく、易は人の人生にとってどんな意味があるのか見極めてみたいという気持ちからでした(もちろん自分のやっている事を他人から賞賛されたいというヤマっ気もありますが)。
易のホームページを開設して一年たちます。手ごたえは感じているのですが、なにか見つけられそうで、見つけられない・・・そんな感じです。そこで、今年一年の小生の運勢を占うことにしました。
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今年一年の自分の運勢を占う。
雷天大壮の四爻を得た。
易経では「大壮は大なるもの壮(さかん)なり。剛にして以て動く、ゆえに壮(さかん)なり」といっています。
下のほうから陽気がどんどん成長しています。内卦が乾で、外卦が震です。つまり進めば物事は大いに動くということです。
四爻をみてみましょう。「貞しければ吉にして悔い亡ぶ。藩(まがき)決(ひら)けて羸(くる)しまず。大輿(だいよ)の輹(とこばしり)に壮(さかん)なり。」とあります。
藩(羊を囲っている生け垣)はとっぱらわれており、輹(車の軸受け)はしっかりしているといった意味です。つまり、障害物はないので大いなる前進の可能性があるという意味です。
極めていい卦です。
しかし、いい卦が出たからといって成功が保証されているのではないのです。
手許にある易の本をみると、この卦については「大吉のように見えながら、実はそうではない。だから、万事につきあやまちが起り、苦労する」といっています(加地伸行編『易の世界』中公文庫)。そもそも藩(囲い)とは、なんのためにあるのでしょうか。囲いがあれば自由は制約されます。しかし、囲いがあることによって危険から守られているのです。
小生の藩(囲い)とは何でしょうか。小生はサラリーマンであり、会社に囲われているということをまっ先に思い浮かべます。「囲われている羊」というイメージにぴったりです。でも、いまのところ会社を辞める予定はありません。
考えてみますに、藩(囲い)とは心のバリアということではないでしょうか。心に思っていることと実際に行動すること、仕事と趣味(易)など境界線をひいてきました。そのことによって自分を守ってきました。いわば羊を演じてきたのです。
しかし、そのことによって自分に制限を加えているのも事実です。自分のやりたいことをやるためには囲いをこえなければなりません。羊をやめて、おもいっきり困った人になることも必要でしょう。されば苦労も多くなります。しかも情況としては動き出す時期にきているのです。
ゆえに、小生のこの一年は、色々と不安定な年であると易断いたします。
さて、藩(囲い)がひらけた後にはなにがあるのでしょうか。
広々とした沃野でしょうか。それとも断崖でしょうか。いずれにしても、前進あるのみです。