中東情勢は渾沌としてきました。ここにテロが日常化している世界があります。

イスラエルのシャロン首相は昨年末アラファト議長との断絶をいったん宣言しました。パレスチナ自治政府は「テロ支援体制」だというのです。

この間、パレスチナ「過激派」による自爆テロとイスラエルの報復攻撃が際限もなく繰り広げられる様相を呈してきました。両者とも行動の歯止めが効かなくなってきたのです。

この事態をまのあたりにして「(内訌かあるいはイスラエルのミサイル攻撃か)アラファトは殺されるぞ」と中川社長はいいました。小生もいよいよきたかなと思いました。

ところが、アラファト議長がテロ停止宣言をだすと、数日後ハマスもPFLPも自爆テロ停止宣言を相次いでだしました。

しかし、このことによってアラファト議長は指導力を示せたのでしょうか。最近では武器の密輸船の摘発をめぐってイスラエルとの間が険悪化しています。

そもそも、パレスチナ自治政府が成立したのも、インティファーダの成果でしょう。これはアラファト議長が指導したというわけではなく、パレスチナの民衆の自発的な決起によってなされたものでした。現在パレスチナではPLO主流派のファタハよりも「過激派」のハマスの支持があがっているといわれています。ハマスはテロばかり行なっているわけではなく民生にも手厚いようです。
また、昨年末ガザ地区ではパレスチナ自治警察の「過激派」取り締まりに際して少年が殺されるという事件が起っています。自分達をまもってくれるはずの警察が銃をむけたというわけです。これでは自治政府の信頼はなくなります。

アラファト議長はイスラエルや米国のテロ取り締まりの要求とイスラエルに対決姿勢をとる人々との板挟みにあって窮地に追い込まれています。誰かに暗殺されても不思議ではありません。

かろうじてその地位をたもっているのは、米国やEUが交渉の窓口としてみとめているからにすぎません。「アラファトは後継者を育てなかった」と中川社長はいいましたが、まさにそのとおりで、そのことがアラファト議長に幸いしているようです。

パレスチナ自治政府の実情は、様々な組織が相互にからみあって、はっきりいってよく分かりません。しかし、インティファーダ以来、どの組織がどうのというよりも、パレスチナ人ひとり一人の意志や決意にだんだんと力点が移ってきたように思えます。闘争が続くにしても和平が復活するにしても、個々の持続する意志こそが雑多な組織を貫き現状を動かす原動力となるでしょう。

一方、イスラエルはどうでしょうか。

パレスチナ問題をめぐって、右派(強行派)と左派(和平推進派)があります。シャロン首相は強行派です。アラファト議長に見切りをつけパレスチナ問題は軍事力でもって挑むとする姿勢です。ペレス外相は和平推進派です。パレスチナに独立国家をみとめ欧米やアラブ諸国に配慮しようという姿勢です。閣内不一致も辞せずこれまでに勝手に外交を展開しました。

しかし、両者とも本音はアラファト議長(あるいはそれに代わるだれか)を傀儡としてたてたいということでしょう。パレスチナの抵抗運動を押さえ込むのは大変です。パレスチナ人を直接統治すれば、人道問題で欧米やアラブ諸国の反発も招くでしょう。パレスチナ人の「テロ」はパレスチナ人に抑えされるのが一番効率的というわけです。

右派と左派の違いは、パレスチナ人にどれくらいの土地と権利を与えてやるかという程度の違いなのではないでしょうか。形としては国家としてみとめてやるか、あるいは非常に限定された「自治」しかみとめないかという違いくらいでしょう。右派と左派の対立は深刻ですが、そのことによって国論が完全に二分されることはありません。

なぜならば、イスラエルは他人の土地をうばってできた国家です。しかも狭い国土を敵に囲まれています。軍事力を背景として他民族を抑圧するのは、是非はともかくとして、そうならざるおえません。国家存続の危機に直面すれば一致団結するはずです。

ましてや、シャロン首相はもとは軍人です。恐らくは、おおくの若者を死地においやってきたこでしょう。いまさらパレスチナに譲歩をおこなうことはできないのです。おもえば、かつてイスラエルがレバノンを攻撃し、アラファト議長をチェニスに追いやった張本人は当時のシャロン国防相でした。強行派であるのは当然です。シャロン首相の意志がどれだけ実現されるのかで情勢は大きく変わります。

そこで、中東和平のカギを握るパレスチナのアラファト議長、イスラエルのシャロン首相の運勢を占うことにしました。通常このようなばあい、単に中東情勢の行く末を占えばいいのですが、それぞれに事情を抱えて大変そうです。
またいつ大きく変わるか分かりません。しかも根本的な解決の見通しはありません。それゆえ、六カ月限定ということで二人の運勢を占い、総合的に判断することにしました。

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アラファト議長の運勢を占う
沢地萃の三爻を得た。

シャロン首相の運勢を占う
山天大畜の初爻を得た。


まずはアラファト議長です。萃は地上に水が潤っている状態です。大地が潤えばいろいろと集まってきます。萃はものや人が集まってくる象なのです。とすれば、アラファト議長のもとに支持が集まってくるともとれます。

果たしてそうでしょうか。三爻を見てみましょう。

「萃如たり、嗟如たり、利ろしきところなし。往けば咎なけれども小さく吝なり。」とあります。

人を集めようとしてもかなわず、嘆きかなしむばかりというのです。萃はいい卦なのですが爻の位置が悪いのです。ようするにアラファト議長はパレスチナの人々を統合する立場にありながら結局は果たせないといことでしょう。

「往けば咎なけれども小さく吝なり」というのは、恐らくは米国などたよれば、いちおう対応してもらえるが、本心からは相手にしてもらえないということでしょう。

ゆえに、支持はあつまらないのですが、アラファト議長はかろうじて立場を保つものと易断します。

ただし、この卦には「王有廟に仮(いた)る」ともあります。王は宗廟にはいって祖先を祭ってよいという意味ですが、違う意味でアラファト議長は墓にはいらないよう注意した方がいいでしょう。

次にシャロン首相です。

大畜は山の中に天を蔵している象です。輝かしいものを内に秘めているのですから、おおいにものを蓄えるという意味があります。非常にいい卦です。

しかし、この場合は内卦の天(乾)をシャロン首相の強行路線ととり、それが山に阻まれていると考えたいです。

初爻を見てみましょう。

「あやうきことあり。已(や)むに利ろし。」とあります。さらに続けて「已むに利ろしとは災いを犯さざるなり。」とあります。

災いをまねくから行動は慎めということです。これは、いまの時点で軍事力を本格的に行使すれば、破たんをまねくということことを意味しています。

ゆえに、シャロン首相の強行路線には一定の歯止めがかかると易断いたします。

もっとも、たんに歯止めがかかったわけで軍事行動が終息するわけでも、和平が進展するわけでもないと思います。中東情勢は混迷が続きそうです。

かように占って見たのですが、中東問題は難しいです。百年かかって今の状態になったのですから、本格的な平和が訪れるのも百年かかるかもしれません。

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